SSD上のOracleの性能レポート データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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SSD上のOracleの性能レポート

OracleをSSDの上で動かしたら、どんな性能特性になるのか?
どんな注意点があるのか? 興味は尽きませんが、「Oracle OpenWorldで見てきた業務用SSD製品まとめ」でも紹介されている、
「報告書がドラフト版ということで詳しい内容は正式版を待ちたい・・・」の
報告書が出てきたようです。

この度、ホワイトペーパーとしてDELLとEMCとOracleの検証結果レポートがでたのを見つけました。http://wp.techtarget.itmedia.co.jp/ (TechTargetジャパンという登録が必要なサイトです)
レポートのタイトル「フラッシュドライブ搭載ストレージの実力をOracle環境で徹底検証する」

2009年7月追記:登録が不要なサイトに同じ(私が見る限り同じ)レポートが載りました。こちらです。
http://www.oracle.co.jp/solutions/grid_center/dell/pdf/GRIDCenter-DELLEMC-SSD_v1.0.pdf

以下、個人的に読み取ったSSD(EMCさんの企業向けハイエンド製品で、EFD:Enterprise Flash Driveと呼ぶそうです)の特性です。以下、私の個人的見解としてお読みください。

●ランダムアクセスで効果が大きい

当然ですが、SSDはディスクヘッドを動かす必要がありません。ということは、ランダムアクセスが物理ディスクよりもとても速くなります。ホワイトペーパーでも「約18倍高速になる可能性」って紹介されています。

●キャッシュヒット率が低くても、性能が低下しづらい

これ、大事だと思います。キャッシュヒット率が低いと、通常はディスクアクセスになり、ストレージの足回りが弱いと性能劣化するものですが、SSDを使っていると、この性能劣化が少ないというグラフが出ています。考えてみれば、Oracleのキャッシュにヒットしなくても、SSDというメモリにヒットする(I/Oする)わけで、この効果は納得できます。

●なんらかのI/Oバスが限界になりやすい

SSDにすることによって、通常ボトルネックとなるハードディスクボトルネックが解消されます。すると、他のボトルネックが出てきます。SSDの場合は、I/Oバスみたいですね。ホワイトペーパーでも、I/Oバスがボトルネックになってしまいました。という「うれしい悲鳴」の記述があります。

●費用対効果

価格は載っていませんが、物理ディスクより高価です。なので、コストも含めてメリットを比較する必要がありますね。今後、劇的に下がるんでしょうけど。


■ホワイトペーパー以外の情報

ホワイトペーパーとは関係ありませんが、以下各所から集めたSSDの特性に関する情報です。

●意外とエコ?

物理ディスクと比べて良い点として、電力消費量も挙げられます。ということは、エコと言えるそうです。最近、データセンターの電力が不足気味なので、良いことだと思います。

●注意点

I/O命令に伴うOSカーネルが使用するCPUコストがバカになりません。意外な盲点ですね。また、外部バス(Bus)がいっぱいになりやすいです。今後は、これらのオーバーヘッドやボトルネックが少ないサーバー構成も望まれるんでしょうね。。。

上記特性があるので、現段階ではまだOracleのバッファキャッシュを極端に少なくして、SSDで完全にバッファキャッシュ代わりとは行かなさそうです。正直、バッファキャッシュを”それなりに”持たせる必要があると思います。

●ストレージのwriteキャッシュほどの高速レスポンスではない(らしい)

大型ストレージでは、writeのレスポンスを改善するため、writeキャッシュ(write目的のキャッシュのこと、read+write兼用のキャッシュのことが多い)を置いているかと思います。実は、writeキャッシュの方がSSDより速いため、SSD+writeキャッシュという構成が組めますし、超高速システムのためのredoログなどには、その方が向いているようです。

●SSDの使いどころ(個人的な考え)

ストレージのwriteキャッシュも使って、プロが思いっきりチューニングすると、ほぼ同性能の性能は出せるはずです(物理ディスク本数を揃えると)。では、現時点のSSDに意味がないかというと、「そこそこのシステムにおけるチューニングレス」という点がありそうです。ホワイトペーパーにも載っているように、多少I/Oが増えたりしても、SSDが吸収してくれる(ボトルネックになりにくい)ですから、初心者にとっては使いやすいと思います。

将来は、マシン構成なども含め、いろんなDBサーバーの選択肢がありえるので、夢は膨らみますけどね。SSDがんばれ!!
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[ 2009/05/27 23:16 ] アーキテクチャ | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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