データベース破壊というトラブル データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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データベース破壊というトラブル

データベース破壊とは、物理的にデータベースを構成するファイルが破壊されることです。ファイル自体が無くなってしまうケースから、ブロックという数KB程度の構造が破壊されるケース。1バイトや1ビットだけ破壊されてしまうケース、なぜかヌルで埋められてしまうケースなど多くの種類があります。データベース破壊では、データベース全体が起動しなくなるケースも多々あります。

結論から言うと、残念ながらデータベース破壊を100%避けることはできません。また、このインパクトは、他の障害と比べて桁違いなことが多いです。比較対象となる、業務アプリケーションのバグは、数も多いですし、料金計算の間違いなどは怖いです。しかし、データベースの障害は数は少ないけれども、一発のインパクトが大きい(データベースが起動できないなど)です。その最たるものが、この「データベース破壊」だと私は思います。

多数で構成される(そしてお互いの関与は最小限という特性を持つ)APサーバーは、不具合になっても1台程度の影響で済むでしょう。それに対して、DBサーバーは、データは1箇所(もしくはリレーションを持つ)という特性上、影響がシステム全体に広がりがちです。しかも、APサーバーのトラブルは最悪再起動すればなんとかなるはずですが、DBサーバーのデータベース破壊についてはそうは行きません。リカバリと呼ばれる作業を行うことになるため、最低でも数時間はかかると思ったほうがいいでしょう。

ところで、データベース破壊は、「メインフレームなら無い」と思うかもしれませんが、そんなこともありません。実際、いくつか聞いたことがあります。

さて、Oracle管理者への最低限のお勧めは、リカバリ手順を用意しておくことです。「制御ファイルの1つが壊れたときのリカバリ」「redoログファイルが壊れたときのリカバリ(不完全回復のケース)」「SYSTEM表領域などの管理用表領域が壊れたときのリカバリ」「業務データの表領域が壊れたときのリカバリ」あたりは用意しておきましょう。

それと、リカバリの練習はしておきましょう。リカバリもアーキテクチャの理解が必要な複雑な作業です。リカバリが必要な状況になった場合、初心者は絶対にパニックになります。自分のPCでも良いですから、壊す&直すを繰り返し、肌で実感しておくことが効果的です。

よく聞く、落とし穴その1は、リカバリできないバックアップです。システム稼動直後はバックアップとして機能していたけれども、データファイルなどの追加/ファイルの場所移動などによってバックアップとして機能しなくなっているケースがあります。

よく聞く、落とし穴その2は、制御ファイルやredoログファイルなどをバックアップからリストアしてしまうケースです。制御ファイルやredoログファイルは最新の管理データ/ログデータが格納されています。ここは基本的にリストア対象外です。気をつけましょう。

この記事のまとめです。
・リカバリ手順は用意できていますか?
・リカバリの練習はしましたか?
・制御ファイルやredoログファイルはリストアしません(例外除く)
・そのバックアップは本当にリカバリできるものですか?(最近、構成変更していませんか?)

「やばい!」という心当たりがある人は、いますぐ自分のシステムをチェックしてみましょう。

次回はリカバリの注意点(TIPS)についての紹介の予定です。
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[ 2008/08/31 22:29 ] DBA | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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