書籍は読み手の実力によって、読み取れることが異なる データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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書籍は読み手の実力によって、読み取れることが異なる

皆さん、読書は好きですか? どれくらい本から情報を得ていると感じていますか?
本の持つ内容の90%でしょうか。
いやいや50%でしょうか。
筆者としての感覚は、どんな人でも10%未満です

これにはいくつかカラクリがあります。

まず時間が経つと忘れます。読んでいる最中は覚えていても、1週間後はどうでしょうか? 1か月後はどうでしょうか? 1年後なんて本の概要すら思い出せないのではないでしょうか?

また、良いことが書いてあっても、実践まで移す人は圧倒的に少ないです。あるとき、雑誌に、ツールや動画を付けて配ったことがありますが、見事に使ってくれなかったです。皆さん、雑誌を読んで終りにするんですね。この「読むだけの記事から卒業」という壁は意外と高いです。書く側として、常に気になるところです。

読み手の前提知識が不足しているケースもあります。前提知識が不足していると、どうしても内容が頭に入ってきません。字面のみを追うことになります。これは初心者にありがちです。

読めるんだけど、「記述の重要性」に気づけないというケースもあります。若手に私の本を読んでもらい、ディスカッションしてもらったことがあるのですが、ディスカッションにおいて「そういう深い意味がこの文章にあるんですか?」というコメントが若手からでてきました。書き手が伝えようとしていることの10%程度を読み取れれば良い方だと思います。

このような事情により、「書いたものの伝わらない」ということが往々に起こります。対策としてお勧めなのは「ゼミ形式で勉強、発表をする」ことです。嫌でも行間を読んだり、深く考えたりする必要が出てくることと、自分が発表することにより記憶が残るためです。

●傍証(ぼうしょう)とまとめ

もうひとつ。出版の世界では、初心者向けの本を買った人が、同テーマの初心者向けの本を買う候補者であると言われます。実際、アマゾンで初心者向けの本を買ったあとに、アマゾンからお勧めとして出てくる本は、同じ分野の初心者向けの本ですよね^^; まあ、アマゾンのマーケティングは優れているってことです。

さて、自分が成長したなあと思ったら、以前読んだ本を読んでみることをお勧めします。以前は注目しなかったような箇所で「へえ、そうなんだ。昔は気付かなかったなあ。今だから読み取れた!」が出てくるはずです。
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[ 2009/03/18 23:58 ] スキル強化・教育 | TB(0) | CM(2)
自分はわかっているつもりでわかっていないことがほとんどです。「ゼミ形式で勉強、発表をする」機会はないので、仕事場で他の人に話したり、ブログに書いたりしてアウトプットするようにしてます。小田さん本は図と例がわかりやすくて好きです。最初、「絵で見てわかるOracleの仕組み」を見たときは衝撃的でした。今は小田さんの本は「データベース」以外全部持ってます。
[ 2009/03/23 09:09 ] [ 編集 ]
yohei-aさん

コメントありがとうございます。
褒められると弱いので、次作もがんばります。次の本は、アンチパターンの予定です。

そうですね。アウトプット大事ですね。
身内の人間は良く知っているのですが、私の説明スタイルは、人事で先生をしていたときに身につけました。アウトプットを強制される仕事だから身についたスキルやコンテンツのような気がします。皆さんにも、機会があったらセミナー講師などをチャレンジすることはお勧めしたいです。
[ 2009/03/23 13:48 ] [ 編集 ]
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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