トラブルから何かを得る(トラブルに備える) データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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トラブルから何かを得る(トラブルに備える)

痛い目を見たあと、あなたは忘れますか? それとも・・・?
一流の人は、いざというときに備えて鍛えておくものだそうです。
#私もできていないので他人事のように書いています^^;

私が好きな失敗学などを読んでも、きちんとトラブルを反省して、再発防止につなげるとか、日々の小さな失敗に気づくことで、大きなトラブルを防ぐことが書かれています。実際に統計的に調べてみても、障害の原因は、他のシステムで過去に起きた障害の原因と同じことが多いです。そういう意味では、ITの業界はコスト削減要求が強く(?)、このような取り組みは後回しなのかもしれません。

今回は、私の周りで行われている取り組みをいくつか紹介します。

・トラブルに備えたスクリプト集を作る。
 火消しとして「これは便利だ」と思うスクリプト集を作って、仲間内に公開したりしています。トラブルの現場でマニュアルなどを見ながらSQLを作っているようではカッコ悪いです。

・トラブル対応用のスクリプトや仕組みを設置する
 許可を得るのが大変ですが、検知やトラブル対応の仕組みを設置するのもお勧めです。検知は以前紹介した「閾値でアクティブ数を監視するようなもの」がよいでしょう。代表的な分析についてはスクリプトを作って、半自動で行えるようにしておくと、いざというときにスムーズに対応できます。

・各社のナレッジベースを活用する
 ボリュームが多いのが難点ですが、大手DBベンダーはナレッジベースが充実しているはずです。もし手間ひまがかけられるのであれば、ナレッジベースを調べて、現在の設定の総チェックをするのがお勧めです。大抵はそこまでの時間は無いでしょうから、何かを変更するときに、該当しそうなトラブル情報が無いかどうかだけでも調査することをお勧めします。また、トラブル発生時にナレッジベースを調べる癖をつけておくこともお勧めです。

・未然防止に生かす
 判明した設計や設定の注意事項は、チェックリストなどの形で横展開するとよいでしょう。あるシステムで発生した問題が、隣のシステムでも起きてしまうようでは怒られます。また追加開発で、トラブルが再発してしまうこともあるでしょう。そのため、チェックリスト化して未然防止を仕組み化するのがお勧めです。ただし、バグを避けるための回避策の採用はあまりお勧めしません。基本的には、集積パッチによる対策をとるべきです。これは、回避策や隠しパラメータを多用した結果、別のトラブルになっているケースがあるためです。バグはパッチで防ぐのが基本です。
#チェックリストの弱点は、盲目的にチェックリストを信じる人が出てくることと、アーキテクチャを軽視するようになることでしょうか。現場が「チェックリストを通ったからそれで良い」と考えるようになると危険です。

・Oracleのエンタープライズマネージャなどの製品を導入する
 たとえば、Oracleであれば、トラブル時の切り分けや監視などを行うオプション製品もあります。Diagnostic Packは、診断のためのオプションです。性能問題やハングのような事象に効果的です。一般的なユーザーには便利なオプションです。

・実は、Oracleの11gから障害時のログ出力が変わりました。ADR(Automatic Diagnostic Repository)と呼ばれる仕組みにより、各種ログが包括的に出力されます。これを解説しだすと長いので、興味のある方は次のWebサイトなどで学ぶとよいでしょう。 http://www.atmarkit.co.jp/fdb/rensai/ora_admin/02/oraadmn2-1.html 注:@ITの記事です。

「この記事のように、失敗を生かすことが必要だ」と思ったあなたは、きっと大きなトラブルを経験したばかりでしょう。のど元過ぎれば熱さを忘れます。善はいそげです。今のうちにやってしまいましょう!!! 私の経験では、タイミングを逃すと絶対にやりません^^;
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[ 2008/08/19 23:29 ] DBA | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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