トラブルシューティングのコツ その4 データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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トラブルシューティングのコツ その4

今回は現場のためのTIPS集です。特にDB管理を仕事としている人、インフラエンジニアにとって有効な方法を解説します。

まずシステムが処理できているか、できていないかを確認できる手段の準備です。しかも、日ごろから使えるものです。Oracleのv$sysstatビューにはexecute countがあり、そのビューにはインスタンス起動後のSQL実行数がカウントアップされています。その数値がいつもどおりに増えていれば、SQLの処理数(ほぼ業務処理量)としてはいつもどおりと言えるはずです。累積値は見づらいので差分を自動的に計算するスクリプトを仕込むとよいでしょう。

もう1つはDBサーバー上でつまっているかどうかの確認となる、処理中のSQL数確認です。これはOracleであれば「v$sessionの各セッションが
Activeというステータスか」でおおむね確認できます。DBサーバー上で詰まれば、処理中(Active)のままになりますから、どんどんActiveなセッションが積みあがっていきます。このActiveなセッションが積みあがるという現象は、APサーバーのスレッドなどでも使えます。このようにAPサーバーやDBサーバーでの処理数やActive状況を把握すると、どこがおかしいのか手早く確認できます。うまく閾値監視の仕組みをつくれば、トラブルから数十秒で検知できます(いくつかの過去実績もあります)。

次は再起動のためのスクリプトを用意しておくことです。特にクラスタ構成の場合には、クラスタやネットワークのアドレスの切り替え、業務処理の再開まで含めたスクリプトが必要です。現実問題として、原因不明時に一番効果が高いのは、再起動やクラスタの切り替えだからです。

これで駄目だとすると、原因追求が必要なトラブルということになります。サポート窓口に連絡すること、および、ベンダーが提供しているナレッジの検索が有効なはずです。現場でのコツは、何らかの方法でメッセージをすぐに伝える(取り出せる)方法の用意です。セキュリティ上、本番機のログを簡単には持ち出せない会社が多いと思いますが、緊急時用の手段は残しておくべきです。画面を見て、メモして、それを他の画面で入力するという現場もありますが、あまりにももったいないです。

最後は、アーキテクチャの知識を持つことです。「言うは易し」であることは承知の上ですが、トラブルシューティングするために、アーキテクチャの知識は役に立ちます。たとえば起動しないというトラブルが起きたとして、アーキテクチャと起動の順序を知っていれば、どの段階まで進んでいるのか、原因はどこら辺にあるのかがわかります。エラーがおきても、「このエラー箇所はXXXのはずだ」「XXXとXXXが関係するから、そこをチェックしよう」といったように対処を進めることができます。

まだまだトラブルシューティングのコツは続きます。
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[ 2008/08/14 00:18 ] DBA | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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