情シスとSIerの”信頼しない”が非効率を生む? データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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情シスとSIerの”信頼しない”が非効率を生む?

実は、私、データベースに関係ない、プロマネのコンサルティングもやっていた時期があります。

たとえば、これからシステム開発を行う会社(現場)を想定します。SIerは、「情シスがあとから何か言ってくるだろうから、バッファをつもう」と考えます。(コストなどの理由により)バッファがとれないこともありますが、基本は、積むことになります。開発が進んで、実際には、バッファの時期になって、やることがなくても、バッファが返されることはありません(当然ですよね?)。なんとなく、だらだらっと仕事をして、帳尻があってしまいます。しかし、大抵の場合は、バッファがあるからと、心の中では当てにして、最初のうちはマイペースで仕事をして、その結果、バッファの期間になるころには、遅延していて、ぎりぎり帳尻合わせとなるでしょう(もちろん、帳尻が合わないこともしばしば・・・夏休みの宿題ですね^^;)。

さて、情シスは、バッファをSIerに作ると(見せると)、つけ込まれますから当然つくりません。そのため、仕様変更が発生しても、要件定義の遅延が発生しても、SIerになんとかしてもらうことしかできません。そうすると、仕様変更は不具合という扱いにして、SIerに泣いてもらうのがベストです。非を認めると、大幅な赤字やリリースの延期にもなりかねません。

この非生産的な悪循環はなんとかならないのでしょうか? 人間らしい振る舞いだと言ってしまえば、そのとおりですが、別の形があってもいいのではないでしょうか。

この意味でもっとも私が期待しているのが、ユーザー側による自前開発と、CCPM(Critical Chain Project Management)です。CCPMは、岸良さんの書籍「目標を突破する 実践プロジェクトマネジメント」がもっとも読みやすいと思っていますが、簡単に言うと、サバをとって、バッファという形で、正しい箇所に余裕を持たせましょうというプロジェクトマネジメントです。ただ、これをやるには、スケジュール上のお絵かきだけではだめで、メンバーや関係者の考え方も変わらなければなりません。いままでどおり、バッファをあてにして最初からゆっくり作業していたらダメですし、サバを取られるのを嫌がる人が心を入れ替えて、サバを喜んで提供する必要があります。

これが実は、SIerと情シスの間にも当てはまるというのを、しばらく前、あるすごいCIOさんから教えていただきました。お互いが信頼するという前提で、SIerはサバがない状態のスケジュールを引き、サバをまとめて(できればユーザー側が)まとめて管理し、全体としてもっとも効率的なスケジュールを目指すという形です。実際やろうとすると、大変ですし、そもそもSIerとユーザー側が、お互いに信頼し、すべてをさらけ出す必要があるため困難ですが、やはりこれくらいのことをやらないと、全体最適は実現できない気がします。私は一度もやれたことはありませんが、私の理想の1つの形です。

もう1つの現実解は自社開発でしょうか。SIerと発注側というように線を引いてしまうとどうしても「バグは0にしろ」とか、「頼んだ機能は全部作って当たり前」などの考えをもってしまいます。これを自社開発でやると、かかる工数は自分達のものですから、柔軟に計画や範囲を変更しやすいと思います。すくなくとも「発注側だから」という考えで強制するのは減ると思います。また、自社開発では、自分たちでテストすることもあり、受け入れなども不必要となるはずです。アメリカなどではこの自社開発はかなり行われています。
実はSIerがここまで多いのって、おそらく日本だけです・・・・ただし、
#アメリカでは自社開発のため情シスの人数がとても多いという傾向もあります。

最後は折衷案です。ユーザー企業が、人を雇うという形でSIerと契約するやり方です(つまり支援という形の契約です)。みんなで1つのシステムを作るという感覚は持ちやすいと思います。SIer側もバッファをつまなくてすみます。ただし、工数がオーバーした場合に、ユーザー側が支払うことになります。

「発注することで、責任をSIerに押し付けられる(逆に言うと、自分たちのリスクが減る)」という考え方が、請負契約となり、ずるずると仕様変更が長引く原因にもなり、ユーザーが物事を決断しない原因(の大きな部分)だと私は思っています。しかし、結局、発注者とSIerという形で線を引いても、発注者(ユーザー側)は、責任を逃れられないはずです。それは官庁の指導や最近の裁判でも明らかだと思います。それだったら、(上の3つのように)線を引かずに1チームでやるという夢を目指しても良いと思うのです。

しがらみに縛られない、もしくは、チャレンジしてみたい方は、ぜひ検討していただければと思います。
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プロフィール

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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