トラブルシューティングのコツ その3 データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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トラブルシューティングのコツ その3

トラブル対応では、何に時間がとられると思いますか?
実は、確認や調査、リトライ(何度も試す)、オペレーションの事前準備に時間がとられます。

たとえば、システムで処理ができなくなったとします。
皆さん、どうしますか? 調査するポイントが決まっていない場合、
試行錯誤しますよね? 本当に使えないのか、紛糾したりしませんか?
やみくもにサーバーやソフトを再起動したりしませんか?

まず、外部からシステムにアクセスしてシステムが生きているか確認することをお勧めします。携帯や通信カードを使って、一度インターネットを継由するようにアクセスしてみて、サービスが生きているかどうか確認する方法です。エンドユーザーと同じ経路でシステムが使えるかどうか確認できるため、目の前のサーバーがトラブルになっていた場合でも、かなり有効です。

ここでポイントです。時刻を記録します。理想は秒までですが、
分まででもかまいません。あとで、お客様や上長、監督官庁に報告する場合などにものすごく役に立ちます。

さて、DBが起動しないというトラブルだったとします。皆さん、起動のコマンドを叩いてみますよね? 成功しなかったとしても、もう一度やってみますよね?駄目ならOSを再起動したりしませんか? 最近、何を変更したかを思い出してみて元に戻して起動を試みたりしませんか? またはエラーメッセージから見てデータベースを構成しているファイルをちょっといじって起動を試みたりしませんか? このようなことをするため、DBが起動しないトラブルでも、最初の起動しないという確認だけでも1時間や2時間かかってしまいます。
この話をすると、お客様の上層部の認識(うちの現場はすぐに対応できるはずだ)と大きなずれがあることがわかります。

どのログを見れば良いか把握していますか? 「へえー。こんなログがあるんだ」と思っているようでは迅速な調査はできません。どんな情報がどのログファイルに出るのかは事前に確認しておきましょう。
ログの監視という意味では、運用監視ソフトを使うべきです。監視ソフトは広く使われていますが、監視ソフトが対象としないログファイルの存在、およびメッセージです。たとえば、Oracleクラスタソフトに対応していない監視ソフトではログファイルに対応していないはずです。また、Oracleに対応している監視ソフトであっても、キーワードの引っ掛け方が、”ORA-”で始まるものだけとなっているため、”WARNING”といったメッセージはひっかからないのです。

では、時間を短縮するにはどうすれば良いのでしょうか? まずは、対応手順書を作りましょう。どのようなトラブルを想定し、それに対してどのように対応するのかという一連の手順書です。お勧めは、エラーの検知から、切り分け、対応までがつながるものです。

ただ、対応手順書は3つの理由から使われにくいと思います。
1つ目は、メンテされない手順書で、実質的に使えなくなっているケースです。
2つ目は、訓練をしていないため、そのとおりに動けない/動くのに時間がかかるケースです。
そして、3つ目は人の心理です。トラブルのとき、人は普段使い慣れている道具に無意識に頼るのです。トラブルで慌てているときに、普段気にもかけていない対応手順書の存在を思い出せるでしょうか? また、ページをめくっていちいち理解しようと思うでしょうか? このような事情により、せっかく作っていた現場でも対応手順書を使っていなかったトラブル現場をいくつも知っています。

このような話は、他所のことで、うちはまともだから大丈夫と思っているとしたら大違いです。有名大規模システムですらこのような状況なのです。
「ではどうすれば?」については、完全な解はないと思いますが、役に立つTIPSを次回ご紹介します。
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[ 2008/08/10 14:41 ] DBA | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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