サーバー統合・分割と組織の区切り データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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サーバー統合・分割と組織の区切り

サーバー統合と聞けば、コスト削減、運用が楽になるというイメージでしょうか? 今回はそんなサーバー統合のリアルな注意点の話です。前回の横串DBAチームの話もちょっと出てきます。

コンサルタントとして、多くの会社でDB統合(DBサーバー統合)の相談にのってきました。もちろん、メリットもあるため、お勧めではあるのですが、注意点を知らずに統合を試みると痛い目にあいます。

最大の注意点だと思うのは、利用者や管理者が異なるDBサーバー(ひいてはシステム)の統合は大変であるという点です。利用部門間の意見調整を皆さんがするはめになります。また、管理者やSIerが相乗りすると、これもまた不幸です。この調整も誰がやるんでしょう? 誰がサーバーをメンテナンスするんでしょう? 誰が全体スケジュールの調整をするんでしょう? 想像するだけでもげんなりします。このような場合、横串DBAチーム(前回と前々回を参考)があれば、少なくともDB周りの関係者は共通ですから、まだ運用しやすくなります。

また、利用者や開発責任(Owner)の違いは、お金の区切りでもあります。出資者が複数であることほど、予算の調整が困難なことはないですよね。たとえば、ある日、追加のディスクが必要になったとして、いったい誰がお金を出すべきでしょうか? 利用部門がまたがっていたら、争いになってしまうかもしれません。これもDBAががんばれば(誰がどれだけ使ったかを記録とか、ルール決めとか)、最小限で乗り切れるでしょう。

さらに、運用レベルが異なるサーバーを1つにするのも、結構不幸です。再起動したくてもできなかったり、止めちゃダメといわれたり、暴走するアプリや、特定のイベントによってたまたま集中した処理の影響を受けたり、意外と不便を生むものです。

私が良く言うのが、「サーバーの統合は”調整”の発生を意味する」です。仮想技術(VMなど)を使っても多少楽になるだけです。山のような調整を覚悟しておいてください。

コスト削減やリソースの有効活用、データセンターのリソース削減(スペースや電源)といったためには、避けては通れないサーバー統合ですが、このような注意点があるということを想定して計画を立てて、進めてみてはいかがでしょうか。なお、注意点はこれだけではありませんが、ブログではこの辺で。

「サーバー統合によるコスト削減はすぐ出来るだろ?」という上司(もしくはお客様)が多いなと感じます。そのような場合には、本ブログの内容程度は伝えて、大変だということを認識してもらうべきだと思います。

P.S. たまにブログのフィードバックをいただきます。ありがとうございます。なお、最近、ブログの更新頻度が元に戻ったからと言って、余裕ができたわけではありません^^; 風邪が治っただけというのが理由です^^  書いて欲しいネタなどがありましたら、遠慮なく連絡ください。
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[ 2008/11/12 22:11 ] DBA | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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