横串DBA(後編) データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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横串DBA(後編)

前回、インフラのDBA(DataBase Administrator)を、ここではDBAと呼ぶことにして、なぜ必要なのかという話を書きました。
----------------------------- 要約 -----------------------------------
各システムに熟練のDBAを雇えれば問題ありませんが、大抵そうは行きません。また、1つのシステムのDBA業務だけでは運用フェーズに入ると、仕事が少ないのが現実です。そこで、複数のシステムを横串で見るDBA部隊(その中には、エキスパートが少数、これからエキスパートというメンバーが多数)が望ましいこのDBAもシステムをまたがってDBを管理するのが効率的です。
----------------------------- 要約 -----------------------------------

今回は、そのデメリットとメリットを考えてみましょう。

●デメリット

・組織の都合
なんといっても、組織が縦割りである場合、上層部に説得するのは困難です。「文化として、縦割りだから水平にDBを効率的に管理するのは無理」というのも良く聞きます。

・予算の都合
次に多いのが、予算です。そういう横串DBAを立てるにあたって、いったいどこから予算を出してもらえばいいのでしょう? 予算はどうしても新規業務開発につきやすく、DBAのようなエキスパートや運用には回ってきにくいというのが現実です。例外として、技術支援部門やCOE(Ceter of Ecellence)のような組織があれば、そこから予算をもらうのが良いでしょう。

●メリット

・リソースの有効活用

DBAという業務は常に一定の稼動というわけではありません。そこで、複数のシステムを見ることによって、可能な範囲でDBAの負荷の均一化をはかります

・障害の未然防止

いざというときはDBAチームで一番のエキスパートが見ることによって、未然防止を図ります(※)。複数システムを見ることによって注意点を集めることもできます。他のシステムでおきたトラブル情報を参考にもできます。

※:エキスパートが居ない場合も多いでしょう。その場合にはしょうがありません。

・障害の迅速な解決

いざというときはDBAチームで一番のエキスパートが見ることによって、短時間での解決を図ります。また、1人ではローテーションも組めませんが、DBAチームとしてならローテーションが組めるため、「XXさんが休みの日に限って、トラブルが!」なんていう話も起こりにくくなります

・標準化

ガイドラインや標準といった形で、設定を統一したり、設計思想を統一したり、運用方法を統一しやすくなります。この横串DBA自身が標準を作成することができますし、運用するのもこの横串DBAだからです

・知識の伝承

1人で業務を遂行していると、引継ぎができません。これからを担う担当者も育てようがありません。横串DBAチームとして活動していれば、エキスパートさえいれば、あとは比較的初心者が、成長していくことができます。

・システム情報の伝承

もっとも大事なのは、これかもしれません。データベースはシステムの心臓部です。DBAの仕事をしていると、業務はともかく(※)、アプリのつくりや、データの定義、インフラについて詳しくなります(詳しくならざるをえません)。そのため、システムの情報が自然と身に付くことになります。一人では退職してしまうと失われてしまいますが、横串DBAチームであれば、継承が可能なはずです。

※:前回紹介したDAは業務とデータに詳しくなれます。

このようにメリットが満載です。皆様の会社でも横串DBAの設立をしてみませんか?
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[ 2008/11/10 00:33 ] DBA | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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