渋滞や待ち行列の続き。製造業やプロマネでは? データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ

Oracle RDBMSなどのオラクル製品や各種インフラ技術(OS、ストレージ、ネットワーク)といった話題を取り上げます。著者は小田圭二、「門外不出のOracle現場ワザ」、「絵で見てわかるOracleの仕組み」、「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク」などの著作もあります

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渋滞や待ち行列の続き。製造業やプロマネでは?

『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』のP199に、渋滞情報を流すと空いている道に皆が集中して、違う道が渋滞する、そしてまた渋滞情報を流すと逆の道が混むという、振動状態の紹介があります。これは「ハンチング現象」というそうです。

これはコンピュータシステムの負荷分散装置で見られることがあります。空き状況を見て流し先のコンピュータを変えるような動的なモードにしていると、この現象が起きてしまいますね。特に通常時は良くても、障害時にこの「ハンチング現象」を起こしてしまうことがあります。このような状態に対処するには、一度上流でせき止めて、一から起動し直し、徐々に流れるようにすると解決することがあります。トラブル対応する可能性がある方は覚えておくと役に立つと思います。


●「次工程はお客様」と思え&「間締め」

プロジェクトでも仕事が渋滞することがありますよね。そんなとき、メンバーに心がけてもらいたいと思うのが、製造業で良く言われる「次工程はお客様と思え」です。これを現場のメンバーが実践しているのと、「遅延しているけど、まあいいや。あとでやれば」と思っているのでは大違いだと思うからです。

「自分が少し無理して、早く次工程に渡して、堂々と休む」と「いつもどおりに仕事して、少し遅れて次工程に渡して、特に休まない」だと、労働時間が一緒でも前者の方がプロジェクト全体が速く進みます。で、リーダーをしていると気がつくのが、せっかく稼いだ時間をただ食い潰しているチーム(や人)の存在です。プロジェクトの中のたかが一工程と思うと、急いでやろうとは思わないかもしれません。でも、お客様が目の前で待っている&自分の作業だけを待っていると思えば、「早くきちんと仕事して、渡して喜んでもらおう」と思えると思います。

「間締め」も生産性という意味では似ています。「間締め」とは、工程の間を詰めることです(参考)。

参考:「間締め」とは、運搬の浪費、待ちの浪費、移動の浪費などを最少にするために、部品の位置や設備、治工具の位置などの距離を最小限に間締めすることだそうです(by Webサイト)

一人一人、一回一回では大きな時間は生まれないかもしれませんが、プロジェクト全体となれば大きな違いがあるものです。我々ITのエンジニアも、製造業の「間締め」や「次工程はお客様」を参考に、「次の工程(や人)を待たせない」を心がけるべきなんだろうと思います。

CCPM(クリティカルチェーンプロジェクトマネジメント)が、ここら辺の知識をうまくプロマネに生かしているので、興味がある方は「TOC(制約理論)」 「情シスとSIerの”信頼しない”が非効率を生む?」 を読んでみてください。

●「間締め」などをコンピュータシステムに生かすと?

なんといっても、リクエストをシステム内に溜めこまないことだと思います。溜めこんで処理しきれなくなったり、処理しきれないまま時間が経ち、ユーザーから見て意味がなくなるくらいなら、「受け取らず、エラーにしてしまえ」と私はお勧めしています。通信のシステム屋さんは、ここら辺の渋滞への対応ノウハウを持っていて、流量制御をきちんと設計しています。ご存じない方は、調べてみてください(注)。

注:流量制御(帯域制御)については、DBマガジン2009年9月号の特集2のアンチパターン9で、簡単にご紹介しているので、もしよかったら、こちらも見てみてください。
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[ 2009/07/26 23:39 ] 雑談 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

odakeiji

Author:odakeiji
小田圭二 日本オラクルのテクノロジーソリューションコンサルティング統括本部においてデータベースのコンサルタントをしている。今までのキャリアでは、社内教育部隊で、データベースやOS、ネットワークを教える経験を5年ほど積んだり、コンサル部門で主にDB(インフラ含む)のコンサルを10年程度経験した。また、コンサルタントとして、主に大規模ミッションクリティカルシステムを担当。社内では”火消し”とも呼ばれ、システムトラブルの火消しをいくつも担当していたこともある。
ポリシーは、「OracleもOS上で動くアプリケーションにすぎない。だから、OS、ストレージ、ネットワークを学ぶべき。アーキテクチャから考えろ」。
スキル面の興味は、アーキテクチャ、DBA、インフラ技術、教育、コンサル手法など。
本ブログのポリシーは「週に1回、DBAやインフラ担当者の役に立つ記事を書きたい」です(守れるだけ、守りたい・・・・)
なお、本ブログにおいて示されている見解は、私自身の見解であって、オラクルの見解を必ずしも反映したものではありません。ご了承ください。

私の主な著書の紹介です。もしよかったら、お役立てください。他にもオライリーなどがあります

●「絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク データベースはこう使っている」小田圭二 著
私のポリシーである”DBMSもOSの動くアプリケーションに過ぎない”に基づいて、OSとDBMSの関係、ストレージとDBMSの関係、ネットワークとDBMSの関係、を解説した珍しい書籍です。DBを学んでひと段落したら、DB使いもインフラ全体を意識しなければなりませんが、そのような人にお勧めです。企業ユーザー向けのIT本としては、2008年度翔泳社No1だとか(最後は出版社談)。

●「絵で見てわかるOracleの仕組み」 小田圭二 著
教育に携わる者としての私の思い「丸暗記するな。アーキテクチャを知るべき。絵で説明すべき」を具体化した、Oracleの入門書です。Oracle初心者向きですが、Oracleの基礎となる部分の動きを解説しているため、バージョンに依存せずに何年先でも使えます。逆に、本書の内容を理解せずに、ひたすら丸暗記すると応用力が身につきません。この本を読むだけで何かできるようになるわけではありませんが、アーキテクチャを身につけて、本当の技術力を身につける第一歩として欲しいと思っています。

●「44のアンチパターンに学ぶDBシステム」 小田圭二 著
本書は、企業のDBシステムの設計/構築から運用管理、プロジェクト管理までの各フェーズにおけるトラブル(失敗)事例について、アンチパターン(べからず集)とその回避策/防止策として解説するものです。チェックリストとして使っていただいても構いません。分かっていてもアンチパターンは避けられないことも多いものです(政治とか)。そういう方には、同じ仲間は多いのだなと再認識していただくための一服の清涼剤としていただければと思います。

●「門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
一番最初に出た本です。結構とがった内容を扱っています。
・パフォーマンス分析の考え方(私の担当)
・性能テストや障害テストの仕方、設計の注意点(主に私が執筆)
・コストベースオプティマイザ(10gベース)のアーキテクチャ
・コネクションプーリング
最新のOracleの内容は含んでいませんが、今でも性能の考え方やオプティマイザの考え方は使えるはずです。オプティマイザをここまで解説している本を私は知りません。

●「続・門外不出のOracle現場ワザ」 小田圭二 他 著
「続」の名前の通り、次に出た本です。ちょっと尖り過ぎたかもしれません^^; でも本当に使う内容を選んだつもりです。一流になりたい・他の人と差をつけたい人にお勧めでしょうか。
・性能の良いSQLの書き方
・文字化けの仕組み
・障害(特に性能やハング)の分析・対応方法(私が執筆)
・障害をリアルタイムに分析・対処する方法(私が執筆)
・オプティマイザの使い方ノウハウ
・アップグレードのノウハウ

●「データベース」小田圭二 他 著
私にしては堅い本です。なんせ、共同執筆者が大御所の國友義久先生です。階層型DBMS、ネットワーク型DBMS、リレーショナル型DBMS、XMLDBMS、OO(オブジェクト指向)DBMS、DBMSの持つ機能、DBMSのセキュリティ、データベースの著作権、監査、モデリング、正規化といった内容を網羅しており、深い記述は無いものの、DB技術全体を抑えるのに向いている一冊です。ある程度技術力がついたエンジニアの方が、DB全体を振り返りたい(勉強したい)というときの最初の1冊としてお勧めです。



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